《フープエンジェル》を見て、ランダム指定のハンデスに思ってることを書いた話
こんばんは。またゲーセンに行けない状態になり、J3昇格直前で生殺しです。
さて、11月頭頃に1.4新規カード紹介が公式ブログに上がりました。
そのうちの1枚が《フープエンジェル》です。
《フープエンジェル》
属性:青 種族:天使 レアリティ:アンコモン
CP:2 BP:3000/4000/5000
このユニットがフィールドに出た時、対戦相手は自分の手札を1枚選んで捨てる。
従来の手札破壊カードは「ランダムに捨てさせる」タイプ群と「自分が捨てるカードを指定する」タイプの「月明封殺」、「全部破壊」タイプの《明天凶殺》、《拒絶する世界》、《忘却の遺跡》の3パターンがありました。これによって「対戦相手が捨てるカードを指定する」4パターン目が登場します。
そこで、COJの手札破壊カードの記事を書いてみようと思います。
ランダムハンデスのこと
ランダムハンデスは無作為に手札が捨てられます。何が消えるかは自分も対戦相手もわかりません。これは盤面へのランダム効果と同じことですが、ランダムハンデスにはもう一つ、どれだけの効果になったのか発動した側がわからないという特徴があります。「対戦相手指定型」でも似たようなことは言えますが、少なくとも「優先度の低い順」に捨ててきたことくらいはわかります。
例えば、《迷子》を発動して5枚の手札から《戦神・毘沙門》を抜きました。これって対戦相手にどのくらい効いてるんでしょう。既に2枚抱えていて、あー1枚めくられたか痛いなー程度なのか、1枚をピンポイントで抜きやがってコンチクショーなのか、どっちかわかりません。
実は、プレイヤーから見た感覚でのハンデスの分類の仕方は「ランダムに捨てさせる手札破壊(ランダムハンデス)」群と「ランダムに捨てさせない(指定型ハンデス、全破壊も含む)」群の2つとなります。
この分類による差は、身も蓋もないですが「不快度の差」です。正確には指定型ハンデス内でもかなり不快度の差はありますが、ランダムか非ランダムかの前には大したことはありません。それにやった側がもやもやするのはランダム型だけです。
COJのハンデス具合は、バージョンが進むにつれて全破壊に近い形から対戦相手に手札が残る形へと傾き、それに比例して嫌がられ具合も進んでいます。よりもやっとした試合結果になるよう進化してきたのですから、当然ではあります。
ハンデスはただでさえ、勝っても負けてもすっきりしないジャンルのデッキです。ランダム破壊メインでさらにもやもやさせられてはたまりません。
もっとも、《ヒュプノス》が出るまでは自分の手札が先に消えざるをえなかったので、ああだこうだ言われてはいなかったようですが。
何故、ランダムハンデスがこんなにもあるのか
紙のトレーディングカードゲームもハンデスするカードがいっぱいありますが、「ランダムハンデス」が全ハンデスカードに占める割合はどのゲームでも高くありません。理由は単純で、ランダムに手札を抜くのは手間がかかるからです。サイコロ、コイン、手札シャッフル、何を使って無作為化するにしてもかなり面倒です。
逆に電子ゲームになると「ランダム」を使いたがるようになります。これも単純で、電子ゲームの世界はプレイヤーに指定させるほうが手間がかかるのです。ランダムなら乱数を生成しておしまいですが、指定型の効果はそういきません。CPU戦の実装を考えれば手間はさらに増大します。
また、COJはアーケードゲームなので、あまり1ゲームのプレイ時間が伸びる仕様はゲームセンターが嫌がります。
指定型効果だと「効果発動」→「対象指定」→「効果演出」となります。「対象指定」はCOJの場合、最大5秒かかるでしょう。最大、ではありますが、手札を捨てるという行為であるために、どちらが指定するにしても持ち時間をフルに使う傾向になるはずです。
ランダム効果なら「効果発動」→「乱数生成」→「効果演出」です。この間にほとんどタイムラグはありません。
「指定型ハンデス」でちょうどいい強さに作るのが難しい、というのも一因でしょうか。
「自分指定型」ハンデスは基本的に「その時一番重要なもの」が抜け、しかも「対戦相手の手札を見ることができる」という効果ももれなくついてくるため、下手なもんを作ってしまうと大惨事になります。特に低コストにすると危険です。
「対戦相手指定型」ハンデスは基本的に「その時一番いらないもの」を選んで捨てられるため、まともに効く強さにすることが難しいという問題があります。使い物になるよう出力を上げていった結果「全破壊ハンデス」も同然のカードができた、なんてこともあります。
「ランダムハンデス」ならだってランダムだからね、次のゲームならそこまで悲惨なことはないよ、で統計的なバランス面は何とかなります。プレイヤーのメンタル面は余計ギスギスですが。
あと、個人的な意見ですが、「紙TCGにランダムハンデスが少ない」ということ自体も理由なんじゃないかと思っています。既存作品に少ないものをやたら作りたがってしまうのは製作者の性ですので。
こうした理由で、COJはそのほとんどが「ランダムハンデス」となったのだと考えています。
COJはハンデスをどうするつもりなのかの想像
《フープエンジェル》はハンデス効果の方針変更、その第一歩と考えています。今後のハンデスはランダムではない形が増えていくのではないでしょうか。思えば1.4の《ブルーホール》もランダムでも全消しでもない手札破壊でした。
「ランダムに手札を破壊する」状況を減らしていくことは【手札破壊デッキ】という概念を受け入れやすくするために必要だと思っています。指定型のハンデスは自分であれ、対戦相手であれ、選択をした結果であるという事実が残ります。人間は選択の結果で起こったことに対しては案外受け入れるものです。
ただし、上記した通り、指定型ハンデスが多いゲームになると、ハンデスするたびタイムラグが出てしまいます。こればかりは仕方ありません。ゲームセンターとSEGAで話し合ってもらうしかないでしょう。
また、初心者に対しては操作量が増えてしまい、厳しい仕様となります。ランダムなら捨てなかったキーカードを自分から捨てていくこともあるでしょう。まぁ、これは許容範囲だと思います。指定が間に合わなかったら、従来通りランダムハンデスされるだけですし、自分からキーカードを捨てるのはそれこそ実力の問題ですから。
できれば、過去のハンデスカードの大部分も「自分が指定」、「対戦相手が指定」に振り変え直してほしいと思っています。それこそ《ブルーホール》のように条件指定式に魔改造してしまうのも手です。
《ミイラくん》、《エリートシーフ》、《アンフェア・タックス》などのユニットやトリガーによる効果、特にCIP効果は基本的に「対戦相手が指定」にして、《チェックメイト》、《迷子》、《生命の暴走》などの有色インターセプトのハンデスの一部を「自分指定」にするのがいいかな、と思います。ただし、「自分指定型」になったら劇的に性能が上がるので、CP増加エラッタは不可避でしょう。
余りにも比率が高いのが良くないだけなので、ランダムハンデスを絶滅させる必要はありません。《ポイズンディナー》と《見習いシーフ》はそのままでいてくれればいいと思います。象徴ですし。《黒ずきんちゃん》や《シザードール》のようなギャンブル性を推してるカードもちょっとくらいいていいでしょう。
用法、容量を守ったランダムハンデス作りを期待してます。
トリガーゾーンのカード破壊もね。